思想の手

万法ともにわれにあらざる時節、

まどいなく、さとりなく、諸佛なく、生なく、滅なし

~道元「正法眼蔵」より~

 

血肉化した思想から生まれる言葉は、

自己の〈いのち〉の中にはたらいて活きています。

この道元の言葉も、〈いのち〉の只中を生きているときにのみ真の意味が伝わります。

言葉からほんとうの透徹した美しさが溢れています。

 

血肉化した思想に導かれる手は

治療者自身の手を超えて患者さんの身体の〈いのち〉の中ではたらきます。

 

思想を持った手に

まどいなく、さとりなく、諸佛なく、生なく、滅なしの〈いのち〉が映り込むのです。