さくら

療法室のすぐ下の河原の

くるみの大きな木の下に

ひっそりと咲く小さなしだれ桜

 

誰も見ていなくても

毎年、毎年こうして花を咲かせ

精一杯に〈いのち〉を生きています。

 

その慎ましさが

美しさをより引き立ててくれています。

 

時折吹く強い風が

花びらを少しづつ落としていくのですが

 

その表情には

なんの惜しげもなく

むしろ温かなものにさえ感じられます。

 

心にも心地よい風を吹かせてくれる

小さな花見です。